Paint it Red!! フィルム撮影と縛りプレイのすゝめ
序文
コロナになってから、なぜかフィルムカメラを定期的に触るようにしている。
理由は特にない。確かにこのコロナ禍を写真に収めるということは歴史的意義のあることなんだろうけども、デジタルで撮るなら限りなくマスクがない方が良い(もちろん感染対策を怠らずにだが。)
それよりむしろ、このコロナ禍で自分の精神がデジタルのセカイに引っ張られているような気がして、それでアナログの温かみというか、煩わしさみたいなのが欲しくなったような気がする。
とにかく何故か毎回(無理やり)素人を2,3人組み込んで、「フィルム会」と称して定期開催しているのである。
(コンパクトも含め、手元には沢山のフィルムカメラがあるので、初心者にはそれを貸し出すようにしている。)
レギュレーション
例によってYohji Yamamoto大好き太郎。
レギュレーションというのは規則とか訳されるが、この場合「縛りプレイ」である。
フィルム会では散漫にならないように、非常に緩やかなテーマを毎回設けている。だいたい季節モノが多いが、「新年」とか「夏を感じさせるもの」とか。
縛りがあることで、一貫性が生まれる。
何よりフィルム会の大体のスケジュールが
- 10時〜12時撮影
- カメラ屋で現像頼む
- 現像中にお昼ごはん
- 写真見ながらカフェで講評(ゆるい)となる。
なので実質撮影時間が2時間しかない。
2時間でフィルム36枚を撮るのはなかなか苦労することである。
人によってペース配分は違うが、2時間で全く終えられず、集合時間に泣く泣くシャッターを押しまくることもしばしば。
赤を探せ!!
さて、ここから怒涛のように写真を上げ続けます。
付き合ってください。
今回の公式レギュレーションは「2020年(もしくは年の瀬)」
そして私の裏テーマが「赤を探せ!!」
フィルム36枚分、写真の何処かには赤を配置するという鬼畜レギュレーションなのだ。
先ず赤といえば、自動販売機。得点を稼ぐかのように真っ先に撮影した。
ちなみに横に青色・黄色・緑色があり全ての色を(3原色+緑)を手に入れることに成功した。
赤といえばカラーコーン。年の瀬で市役所のあたりをせわしなく行き交う人を捉えた。
横断歩道で待っている間ももったいない。とにかく赤をみつかたら撮るのだ!
ちなみに撮影機材は確か、CONTAX Aria + Planar85mm F1.4
横断歩道を渡りながら、サッと中央分離帯を撮影。このように連続する物体を捉えるのも写真の醍醐味の一つ。
またもやカラーコーンを探しに。
駐車場をフラフラして見るける。COOPERのバックライトも良い赤出してる。
郵便局の近くで、じっと待つ。赤い車が走るはずだと出待ち。
年の瀬なのか郵便局も大忙しだ。
非常におしゃれなおばあちゃん。
これまた青・緑・黄をゲットするために撮影した。
ショーケースを覗くのは、もはや写真の常套手段である。
夕方になり、年の瀬か閉まっているお店を見つけパシャリ。
これは少し不思議な光景。手前と奥の人がほぼ同じ動きをしていたのだ。
ただそれだけなんだが笑
これは先程のショーケースと映り込む駐車場の赤看板を捉えた。
もっとも、本当はガラス越しに映るカップルの後ろ姿が美しかったのだが・・。
前ばっかり歩いてもいけない。上も見よう。
中心部に似合わないファンシーな建物に気づく。赤か・・。撮っておこう。
年の瀬だ。珍しく満車だ。
ギラつく赤いランプ。
近づき、そして絞る。ギラギラしたテクスチャだ。自分としては珍しい写真。
中心部。このように時々上を見る。赤色とそして青色。
85mmの圧縮効果も相まって、不思議な感覚を生む。
デパートのカフェで、おばちゃんが赤いスマートフォンカバーを付けている!
駐車場には危険がいっぱい。だから赤色が多い。
出口なのだ。出口は目立つように必ず赤色だ。年の瀬の喧騒を少し感じさせる。
女子トイレのマークもそう言えば赤色なのである。
そして左上の「祝」の文字も赤色。
新年の挨拶も書かれているので、公式レギュレーションも達成。
そう。バスも赤色なのである。
個人的には行き交う人々と、このレンタル自転車の並びを一緒に入れたかった。ぶらすことで皆が慌ただしく行き交っている感じが醸されている。
ホテルブロッサム大分。
結局、CITYスパ天空が最強って言う人がいる。まぁそうなのかもしれない。
もう夜が近い。寒くなってきたな。
まだ初売りではないが、初売りセールの準備だ。
この時期特有の街の盛り上がりというのを肌で感じる。
見事に真っ赤だ。
東京2020、 画面右側に日付、そして左側の門松。そう、いつ撮ったか分かる写真も案外大事なのだ。
もちろん赤も大事。
看板は赤が多いな。とこれをやってて思った。画面を赤と青だけに統一したかったので必死にこの構図を探した。もう太陽が沈んできている。
待ちぼうけ。手前の赤と奥の赤ポールが絶妙な立体感を生んでいる。
悲しいかな。カラオケはうるさいほど赤色だ。
撮るか悩んだが、まぁどぎつい赤色も残しておこう。撮影時間が残りわずかなので。
太陽が傾いている。もうあと30分もしないうちに、街は闇に飲まれるだろう。
青々とした空気の澄んだ冬の空をフィルムで撮ると、なぜかノスタルジックに浸ってしまう。
通り過ぎる自転車。そして意味不明な「大分マ」(おそらく大分マートと書かれている。)
縦構図で3分割構図を利用している。
パチンコ店がこんなにも赤かったなんて、今まで気づかなかった。
そしてここに来て初めてダルマを見つけた。新年だ。
交差点を行き交う人々。
謹賀新年の旗を持つおばちゃん。右には通り過ぎていくバイク。
そして真ん中に鎮座する進入禁止マーク。
この会でかなり気に入ってる写真だ。
もう暗くなってきた。急がなければ。
「空空満」。そうか「空空満」か。お腹へってきたな。
ポストとうす赤い背景を見つけ、人が通るのをじっと待つ。
すると先程の謹賀新年おばちゃんが通る!パシャリ!
思わず切ってしまった。
赤いバス。こんなにも真っ赤なバスがあると走らなかった。目立つ。
そして赤い車が通り過ぎるのを少し待つ。
手前を通り過ぎていく赤い車と奥にいる赤バス。
構図と偶然が美しく、これもまた気に入ってる写真だ。
ラスト。一番どうってことない写真。
そう時間切れになったのでここでとりあえずシャッターを切った。
このフィルム会、実はこの時間配分をどうするかが非常に重要なのだ。
まとめ
如何だったろうか。
フィルム一本分を紹介した。
こうやって決め事をすると、とたんにセカイは面白く化ける。
ちょうど小学生が横断歩道の白い場所しか歩かないように。
これからもフィルム会をゆるく続けていくつもりだ。
ビキナーズラックというのもあるのかもしれないが、初めての人と写真を撮るとその柔らかい発想にインスピレーションを受ける。
そしてまた面白いレギュレーションを探していこうと思う。
いつもいつもいい写真ばかりじゃない。でもそれが楽しいときだってある。
一種その諦めに近い境地が、デジタルに疲れた自分を癒やしてくれる。